年末になると色々なことを考える。

先日、芸能人死亡のニュースが流れていたが、訃報を聞くと定命(じょうみょう)という言葉を思い出す。

定命というのは、仏教用語で、人が死すべき定めの年齢のことである。私は定命というのは、その人が今生で果たすべき役割を終えたときに訪れると考えている。この世に生まれてきて、この世で自らの役割を終えた時に苦しみに満ちた現世から開放される。そういうものではないかと思っている。

逆に言えば、まだ生きているということは、すべき仕事がまだあるということ。思い返せば、私もこれまでに何度か、(文字通り、あるいは社会的に)死んでもおかしくないような状況があった。今考えても冷や汗が出る。

ところが現在、健全な一市民として元気に生きている。なぜ生かされているかを考えてみるとき、そこに大きな意味があるような気がする。長い間生きてきたが、まだこの世での役割を果たしたと認められていないのだ。これから一仕事しなければならないのだ。

何年か前には考えもしなかったヨガスタジオ&タイマッサージスクールの経営という仕事に現在取り組んでいるが、この仕事を完成させたときに私にも死が訪れるのかもしれないし、それもまた仕事として認めてもらえないかもしれない(その方が長生きできて嬉しいが)。

どの人の一生にも、意味があり、その積み重ねで今の我々の幸せが存在している。亡くなって行った人たちへの感謝の気持ちで今年も終わりを迎えようとしている。