タイマッサージでよく使う言葉は、
バオバオ 弱く
シャーシャー ゆっくり
なぜタイ語は音を二つ連ねるのか? 謎である。
話が逸れたが、このシャーシャーというのがタイマッサージのポイントで、習い始めた生徒は全員この言葉で戒められる。なぜゆっくりやらねばならないのか。
中国の按摩は忙しない。しゃかしゃか揉み揉みで進んでいく。それに対してタイマッサージは眠くなるようなゆっくりさ、これがタイマッサージの特徴になっている。一つ一つの指圧をじっくりやる方が気持ちがいいということもあるが、本質的には呼吸である。深呼吸に合せて押すから自然にゆっくりになる。
実際にやってみればわかるが、体重を乗せる時に息を吐くと指の圧力が自然に、徐々に高まり、実にいい感じで指が入っていく。押される人も押されながら息を吐くと指を自然に受け入れて筋肉が弛緩する。施術者が呼吸のリズムで押しているとそういうリズムが生まれ、二人の呼吸が合ってくる。これが理想的なタイマッサージのリズムである。
ヨガでの呼吸と同様に、タイマッサージも呼吸が非常に重要で、この呼吸=指圧のリズムが深いリラックス感を受け手、そして施術者にもたらす。
「ゆっくりやらなければならない」と言われるとなぜ?となってしまうが、「呼吸に合せてやらなければならない」と言えば素直に納得できるのではないだろうか。