人間とは弱いもので、どうしようもない時、目の前の現実に打ちのめされたとき、心が折れて地べたに力なく倒れこんでしまいそうなとき、そばに何か頼るものがあれば頼ってしまう。そこに頼れる人がいればまだいい。いない場合、何に頼るか。私の場合、日常的に酒を飲んでいるため、改めて酒は選択肢にはならない。もし、そこに、薬物があれば頼ってしまうのではないか、人とはそんな危うい存在だと思う。

今、日本は欧米の後を追うように薬物に犯されてしまっている。芸能人だけでなく多くの人が薬物に手を伸ばしているのは、そういう状況で、薬物が身近にあったということであり、その罠にはまってしまったという意味では薬物に手を出した人も被害者と言えるかもしれない。ただ、薬物も種類によっては、特に覚せい剤や幻覚剤は精神錯乱により自分の命だけでなく他の人の命も危険にさらすため、薬物使用が飲酒運転並みの重罪であることはゆるぎない事実でもある。そのため薬物使用は許されるものではないが、それ故、薬物使用者は社会的制裁も加わり哀れ極まりない。

幸い、私の傍には薬物はなかった。そこで煙草を吸うことにした。前に煙草を吸い始めたのが20年前、そして煙草を辞めてのが14年前なので、ちゃんと吸うのは久しぶりのことだ。それが10/3の夜、そして2日目の昨日、ヨガのレッスンに参加した。

アーサナに入るとなぜかいつもと違う。呼吸が乱れ、体が安定しない。それだけではなく、暑くもないのに汗がだらだら流れ落ちる。汗だけではない、鼻水まで垂れてくる。苦しくなった。体内の毒が体を苦しめながら体表に染み出してくる感覚だ。ヨガにデトックス効果があるとは聞いていたがこれほどリアルに体験するとは思わなかった。

確信した。

ヨガやタイマッサージを生業とするものは煙草など吸ってはならない。エネルギーラインを整え、自然治癒力を高めることを目標にしていながら煙草を吸うというのは全く矛盾している。

今回のスモーキングは一箱限定なので先ほど完了した。これから再び完全禁煙になる。また吸う日が来るかどうかはわからないが、二度と吸いたくはない。煙草が身近からなくなることを切に願うのみである。