最近見たテレビ番組でもっとも衝撃的だったのはNHKスペシャル「男と女」。男と女の違いを原始時代の人類の習性から読み解こうというテーマを持った番組である。
男と女はなぜ恋に落ちるのか?
社会的にも色々な説明ができそうだが、この番組では「科学的な」答えとして「男は視覚的に恋に落ちる」のだと言う。では男は視覚的に何を見ているのか?
「くびれ」らしい。
本当なのか? 一瞬耳を疑った。一般的には顔や髪、肌の美しさや胸、脚を見ていると思われているが、「くびれ」なのだ。
広範な実験(アンケート)を行った結果、細めだろうが太めだろうがウエストとヒップの比が7対10の比率が男を惹きつけるらしい。つまり、太目が好き、細目が好き、痩せたい、と言った会話は本質的なポイントをはずしていたのだ。7対10であれば太かろうが細かろうが関係ない。
なぜ7対10がいいのか。それは原始時代から今日に至るまで、女性がもっとも健康に妊娠しやすい年齢のときに体が7対10になるかららしい。妊娠の準備ができていることを男に示すサインが7対10なのだ。
この議論には、同じ7対10の女性がたくさんいた場合は誰が選ばれるかということは考慮されていない。年齢的な判断基準のみの話だとは思う。
恋のメカニズムについての説明はこれだけではなかった。男はくびれを見ると雷に打たれたように脳のある部分のスイッチが入るのだと言う。そのスイッチが入ると、その女性について批判能力を失い、すべてが素晴らしく思えるらしい。Love is blind. あばたもえくぼ 現象だ。
そうなると、男はその女性のためには命を懸けてもいいという異常な心理状態に陥る。この恋こそを最高に美しいもの、かけがえのないもの、とすべてを美化して考える。しかしそれは自己洗脳のスイッチが入っただけの現象なのだ。
それが本当なのは18ヶ月-3年後にわかる。スイッチは永遠にONではない。タイマーがセットされていて、OFFになる日がくるのだ。
(続く)