なんと、バンコク国際空港は6日間たった今も離着陸できない状態が続いているらしい。一週間と言えば一年の50分の一である。つまり、国家経済の2%に大きな負の影響を及ぼすことが公然と行われているわけだ。

ニュースによると、反政府が道路に検問所を勝手に設置して、デモ阻止の動きを阻止しているとのこと、それは政府側がすることではないのか? 全く訳がわからない。数年前のネパールで反政府毛沢東主義派が田舎で勝手に関所を作って通行料を徴収していたことがあったが、それ以上にナンセンスな世界だ。

既に抗議集会の域を超えている。国家経済を破壊する穏やかなテロ行為である。デモは人に迷惑をかけないことが暗黙のルールだが、それをいとも簡単に無視するタイ人。

そういう行為に対して対話に応じる政府も政府である。われわれにとっての非常識は彼らにとっては常識らしい。

そういう理不尽さ、不可思議さをなんとも思わないのがタイの文化と言うべきか。タイの社会ではそういうことが多々ある。

タイマッサージに関係のない話のようだが、こういうタイ人の考え方、思想を知ることは、タイマッサージの理解を大きく助ける。

タイマッサージの手技構成や理論体系もそういう理不尽さを大いに含んでいるのである。

政治的なことは客観性がないので話題にしたくなかったが、あまりの出来事につい感情的になりこんな文章を書いてしまった。タイの観光業、ホテル経営者、そして外国人向けの各種サービス、とりわけタイマッサージサロンの人たちはとても困っていることと思う。外国人が来なければ大赤字で、生活や経営の危機に瀕していることだろう。

抗議行動は大いにやってもらいたいが、政府に不満があるからと言って政府に無関係な民間の人に打撃を与えるのはデモの暗黙のルールを完全に逸脱した(空港に爆弾をしかけるの同様の)犯罪行為なのだが、それを国民が暖かく見守っているのは、国民の大部分がこの抗議行動を支持していると理解するべきなのだろうか・・・