無性にタイに行きたくなるときがある。
「屋台でタイ料理を食いたい」
頭の中がタイ料理食いたい、食いたいと、タイ料理とタイビールで埋め尽くされる。
屋台飯は「タイ料理」というほどたいそうな物ではない。頼んで5分も経たないうちに出てくるファーストフードである。しかし、レトルトのような加工食品ではなく、生の食材から作る本格料理だ。
チェンマイやプーケットのような観光地には観光客向けの屋台ランドのような場所があり、あれはあれで便利でおいしいのだが、本物の屋台は道路沿いに夕刻になると出現する。驚くべきことにタイ人のほとんどは自炊しないで屋台で飯を食う。だから屋台では気取らない家庭料理を食べられる。典型的な屋台は、大きな中華鍋で炒め物をする屋台だ。屋台の上に氷が敷き詰められその上に新鮮な鶏、豚、牛、シーフード、野菜が並んでいる。そこでカオパットクン(えび焼き飯)とか、パガパオムー(豚と唐辛子のオイスターソース炒め)とか、好きなものを頼むと手早く炒めて出してくれる。
ほとんどのタイ人は水かコーラを飲んでいるが、もちろんビールを飲むこともできる。タイ料理はビールに良く合う。ビールは屋台にあることもあるが、大抵は近くのセブンイレブンのような店から調達する。屋台の人にビールを注文したらセブンイレブンに買いに行ってくれるが、悪いので自分で買って、グラスだけ借りて飲む。グラスには氷も入れてくれる。だから、ビール代が非常に安上がりになる。ショッピングモールのレストランでビールを頼んだら3倍くらいの値段になることを考えれば、非常にお得だ。
日本の外食でビール持ち込み可の店は皆無だろう。ビールをセブンイレブン価格で飲めることが屋台の一番のメリットだ。日本にもそんな店ができてほしいと思う。
続く