タイでは伝統的にクーデターによって政権交代するらしい。だから、選挙と同等か、それ以上にクーデターの結果が正当化される。だから、現在の首相府や空港占拠に対して軍・警察は行動を起さない。なぜなら、市民団体はクーデター政権(=軍)を支持しているのであり、軍部がそれを取り締まる理由がないのである。

ここで大きな疑問が持ち上がる。軍は政権に支配されているのではないのか? どうやら、軍部は政権に支配されているようで支配されていないようだ。近代国家では考えられない支配構造である。おかしいことなのだが、そういうものだと考えるタイ人。とにかく余り深く考えないようだ。

おかしいと言えば、空港がデモ隊で簡単に麻痺すること。成田空港で同じことをしようとしてもまあ不可能だろう。そんなことができるなら、成田反対派がとっくにやっている。いったい、空港警備はどうなっているのか、こんな空港でテロは大丈夫なのか。そんなことも深く考えないタイ人。

愛すべき人たちなのだが、一緒に仕事をするには精神的なハードルを越える必要がありそうだ。