ペパーミントというレストランがチェンマイにある。
昼飯を食べるお勧めのレストランとして聞いたので行ったみた。
記憶の片隅に、「そういえば、trip adviserのチェンマイのレストランで一位になっていたのもペパーミントという同じ名前だったなあ」というのがあったが、そのペパーミントは郊外にあるはずなので、こことは違うはずだ。
昼間に行ってみたが、間口を完全にオープンエアーにして、いくつかの机を路上に並べているタイによくある食堂だと思った。お客さんは誰もいなかったし、そのときは麺を食べたかったので、そこを通り過ぎて違う店に行った。大した店だとは思わなかった。
数日が経ち、食べるものに飽きてきた。チェンマイというのは夜、手軽に飲み食いできるところが意外に少ない。私好みなのは、惣菜屋台、調理屋台、麺屋台で、近くにセブンイレブンがあり、セブンイレブンで買った「定価の」ビールを屋台で飲める店である。料理のほとんどが30バーツ前後で、ビールも大瓶が50バーツ弱なので驚くほど安く、そして出来たてでうまい。バンコクにはそういう場所はいくらでもあるのだが、なぜかチェンマイには少ない。デパチカのフードコートはそれに近いが、ビールを買ってきて飲むような雰囲気ではなく、よくあるのはゲストハウス併設のレストランか外国人向けのガーデンレストラン。そういう店は一人で飲むには寂しいし、値段も少し高い。ペパーミントもそういう店の一種だが、昼間のイメージだと庶民的だったので料理もビールも安いかもしれないなあと、夜に改めて行ってみた。
そこそこお客さんが入っていたが、まあ空いていて、一人でひとつのテーブルを確保して座った。メニューを見ると、一般的なタイ飯は揃っていたが、それほど種類が多いわけではない。料金は屋台の2倍くらいか。ビールはセブンイレブン価格ではないが、まあ良心的な値段だ。
大した期待もせずに、料理を待ちながら座っていた。すると、不思議なことに気がついた。とても快適なのだ。その理由は、まず場所が車がよく通る道から奥まった小道にあり、風が葉を揺らす音が聞こえる程に静かなこと。そして、かわいい店内と落ち着いたお客さんやウェイトレス、そしてテーブルの上のゆらめくキャンドルの光がロマンチックで上品な空気をかもし出している。まるで、孤島のリゾートホテルの夜のような空気感だ。静かな屋外の夜というのはそれだけで価値がある。
注文したパッタイが運ばれてきた。量は少なめだが、美しく盛り付けがされている。そして、特筆すべきことは食器が陶器なこと。タイの屋台は例外なく安物のプラスチックの皿で出されるのだが、大きめの美しい陶器の皿に盛られたパッタイはとてもうまそうだ。そして、実際にかなりうまかった。
パッタイは油っこ過ぎることが多く、途中で気持ち悪くなるので余り注文しないのだが、ここのは大正解だった。他の料理もうまく、一人飯でありながら、リラックスしたいい時間を過ごすことができた。もちろんウェイトレスの対応もいい。
後でわかったのだが、この店が、trip adviserでチェンマイ一位になっていたペパーミントそのものだった。なぜか、地図の位置が間違っているのでここだとは思わなかったのだが、一位になる理由が理解できた。とても素敵な店なので私もお勧めしたい。trip adviserの地図が間違っているおかげで、今でもそれほど混雑していないのが素晴らしい
Peppermint Coffee House
(現在は4位に後退)
正しい場所