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タイマッサージサロンによく行く人が言うことに、

「タイ人は強く、痛いくらいにやる」

ということがある。日本にあるタイマッサージサロンは、日本人セラピストがメインなところとタイ人セラピストがメインのところがあるが、日本人にやってもらうときは寝てしまう、タイ人にしてもらうときは痛くて寝るどころではない、らしい。

タイマッサージはタイが本場だから、タイ人がやる痛いタイマッサージが本物のタイマッサージなのか? そういう疑問がある。

では、タイで受けたらどうかというと、やはり、痛い人と、気持ちがいい人がいる。痛い人は大きく分けて、技術または性格が雑なために痛い人と、的確なポイントを強烈に押す人の2種類がある。

前者は論外として、後者の痛いマッサージこそが本物のタイマッサージなのか?

このことについて、ピシット先生に聞いてみたことがある。その答は明快だった。

「同じポイントでも、治療を目的としたときは押し方を変えて、強く押す。リラクゼーションを目的とした場合は、意図的に痛さを感じさせない程度に押す。」

タイマッサージは大きく分けて、全身のエネルギーラインを整えるリラクゼーションマッサージと、膝や腰、肩や指のような特定の場所が痛かったり動かなかったりする場合に行う治療マッサージがある。治療マッサージは悲鳴が上がる程痛い。しかし、これを健康な人が受けてもストレスになるだけで大した意味はない。健康な人に対しては「痛くない」リラクゼーションマッサージをすべきである。というのがピシット先生の説明だった。

タイ厚生省が主催する400時間や800時間のセミナーには当然、治療マッサージのやり方も含まれる。セミナーを直接受講した人はどういう時に強押しをやるべきかよく理解しているはずだが、それがお店で新人セラピストに二次的、三次的に伝えられる過程で、「痛いくらいにやらないとだめ」ということが間違った形で伝わってしまっているのではないかと思われる。

痛いくらいに押すのは、特定の関節の痛みを軽減するという明確な目的の下、的確な施術ポイントを正しい押し方で押す場合に留めておくべきであろう