セン・イタ等の主要なセンは、タイの伝統医療において特定の症状を治療するための目安として使われるが、タイマッサージスクールで指圧をするときに習う「脚の外側のセン1、セン2」はどうやらそういうセンではない。それはどう考えても一本の筋肉のことである。脚の外側のセン1は大腿直筋、セン2は外側広筋のことではないのか。
トリガーポイントが離れたところに痛みを発生させるのは二つの場所から脳に達する神経が脊髄で束ねられるために情報の区別ができなくなるのが原因ということは前に述べた。そんな知識がない古代の人は二つの場所が直接繋がっていると考えたのだろう。それがエネルギーライン=セン≒経絡である。そして臨床で使われる一本一本の筋肉を指し示すセン。
センの正体は、筋肉と、筋肉を制御し筋肉からの情報を受け取る神経系のことだというのが、現時点での西洋医学からの説明である。