一軒家サロンの主であるOさんから出た答えは意外なものだった。

「日本で習いました。」

しかし、更に詳しく聞くと意外でもなかった。

「富ヶ谷にあるスクールにかつてタイ人の先生がいた。その先生に習った。そしてその先生の先生がピシェット先生(ピシットなのだが…)で、私も何度かバンコクに行って直接ピシェット先生(注:ピシット(Pisit)先生のこと、ピシェットと言えば通常チェンマイのピシェット(Pichet)師を指す)に習った。」

なるほど、ならばわかる。やはりピシットスタイルだったわけだ。指の置き方や腕の使い方でいくつか違うところがあったが、それは彼流にアレンジを加えたのだろう。こんな近くにピシット先生の教え子がいるとは思わなかった。まさに灯台下暗しである。

人柄も好感が持てるし、ピシットスタイルを持って、評判のいいタイマッサージサロンを経営しているのは大変喜ばしいことだ。近所だし、ここの先生をお願いしてみようかと考えている