タイに行くなら、タイマッサージサロン!
本場のタイマッサージを楽しみに旅立つ人も多いだろう。
しかし、何の準備もなしにいいマッサージに出会う確率は低い。
フットマッサージ、日本ではリフレクソロジーと言われている脚と足のマッサージ。これは比較的当たりはずれが少ない。技術自体が容易なこと、マサージ師の気分に左右されにくいのがその理由だ。
ところが、全身に施すタイマッサージ、これは施術者により大きな差が出る。
まず、ホテルの近くの繁華街にたくさんあるタイマッサージショップ。おばちゃんが入り口で呼び込みをしているあれだ。この類の店は、中の下である。若いお姉さんより年季の入ったおばちゃんの方がうまいに違いない、これは全くの幻想で、おばちゃんは実は最近その店で覚えたばかりだし、年季の入ったおばちゃんは日夜手抜きの技術を磨いてきた。値段は結構安いが、技術も安い。
次にマーブンクロイセンターのようなショッピングモールにある小奇麗なショップ(サロンと言うほどの雰囲気はない)。ガラス越しに施術が見えてオープンな感じだ。こういう店は、若いお姉さんがセラピストをやっていることが多いが、技術は中の上である。やる気のない人に当たったらだめだが、大抵の人は若いだけに一生懸命やってくれる。値段はおばちゃんショップより少し高いが、真面目ゆえに心地よい。技術は完全ではないが、心を込めてやってもらえればそれなりに気持ちがいいものである。便利だし無難な選択肢と言えよう。
旅行者に身近なのがホテルのマッサージサービス。客室まで来てくれるし、ホテル内のサロンもある。料金は大差ないが、客室で受けるべきではない。まず、ベッドでやってもらうと、とにかくすぐに寝てしまう。起きた頃には終わっている。気持ちがいい記憶がないのは勿体無い。そしてベッドは沈み込みすぎるので、指圧、手掌圧がかかりにくい。ホテルのベッドはタイマッサージには適していない。
ホテル内のサロンは快適だ。個室か、カーテンで仕切る半個室で、広々としたスペースでマッサージを受けられる。ホテルのセラピストのレベルは低くないのでレベルは上の下くらいだ。値段はショッピングモールと同じくらいかちょっと高いくらいだ。
少し前にブームになったスパ。高級ホテルに併設されていることが多い。値段はめちゃくちゃ高い。日本で受けるよりも高いくらいだ。こういうところがどのくらいの施術をするのか私は知らない。行ったことがない。
では、上の上のマッサージをするのはどこか。バンコクならワットポー、チャンマイならオールドメディソンホスピタル。そして、街の名もないマッサージ屋にいる当たりのセラピスト(当たる確率は10%くらい。当たったら必ず名前を紙に書いてもらおう。そして次回に予約・指名する。そうすれば安い料金で確実にいいマッサージが受けられる)。その他、ノンタブリの厚生省伝統医療開発局内にある施術所や、プラチンブリ県のアブハイブーベホスピタルの施術所も値段は格安だが抜群の技術がある。ワットポーは別として、凄腕のセラピストの多くは厚生省の長期養成セミナーの出身者だ。
そして日本のマッサージサロン。日本人というのは真面目で、勉強熱心で、そして思いやりに溢れている。日本のサロンは実は本場タイのサロンの平均値より遥かにレベルが高い。
タイに行ったからといって素晴らしいマッサージに簡単に出会えるわけではないのである。