店舗から徒歩5分圏内のポスティングを行う場合、一万枚前後のちらしを配ることになる。一日6時間で1000枚配ったとしても10日間もかかる過酷な仕事だ。住人から冷たい言葉を浴びることもあり、精神的にも楽しいものではない。

しかし、ポスティングは自分でやることには大きな意味がある。業者に依頼するのは楽だが費用がかかる上に、本当に全世帯に配っているのか非常に疑わしい。自分でやれば確実に全世帯に配れる。そして、運動になる。ウォーキングというのは非常に優れた運動なので多くの人がやっているが、それを実益を兼ねてやっていると思えばいい。

そして、もっとも大きな意味は、地域を知ることができる点だ。隅々まで歩き回るので住所番地毎にどんな家があるか、どんな町並みか、どんな人が住んでいるのか知ることができる。その地域にどんな店があるのかもすべて自分の目で確認できる。その上で、顧客の住所データと照合すれば、どこからどんな人が来ているのかリアルにイメージできる。そのイメージができれば戦略も立てやすい。

店の電話を受けるときに、道を聞かれることが多いが、地域の道やランドマークをポスティングで把握していれば大体どんな状況でもきちんと説明できる。地域に出店するならば地域を知ることは非常に重要で、ポスティングにはチラシをまくだけでなく、そういう意味が含まれているのだ。