これから書くことは特定のサロンの悪口と受け取られても仕方がないのだが、まず、ここで取り上げているサロンはタイでも屈指の人気サロンであり、人気と名声があるからこそ辛口になってしまうということを理解していただければと思う。実際、名もないサロンと比べれば平均レベルは遥かに高く、相対的にはお勧めサロンであることは間違いない。また、それらのサロンには数十人のセラピストが所属しているが全員だめなわけはなく、一定人数は非常にレベルが高く素晴らしい施術ができるに違いないが、今回は、そういう人をあえて指名せず飛び込みで入った時にどうかという話で、更に、その施術レベルが私が思い描くわたし好みの最高のマッサージであるかどうかという極めて主観的なものであることをお断りしたい。

チェンマイには、チェンマイスタイルマッサージのプロトコルを開発して世に広めた「オールドメディソンホスピタル」がある。サロンというよりホスピタルなのだがやることは普通の2時間のタイマッサージである。ここには何度も行ったが、一回はとても満足し、二回目はがっかりし、三回目は普通だった。有名なスクールも併設しているのだが、セラピストはスクールで教えている通りにはやらないようだ。変な癖やリズムがついてしまっている。

チェンマイで一時期、日本人に口コミで有名になったのが、スパトラーズ。確かに悪くはないが、痛かったし、意外と普通だった。比べる相手が悪いのかもしれないが、チェンマイのスクールティーチャーである、シンチャイ先生、タノン先生、キム先生が行う体が溶かされていくような至福の感じではなかった。

バンコクで有名なのはヘルスランド。大きな独立した美しい建物の大規模店だが、技術はまあ普通か。逃げだしたくなるほど不快ではないが、幸せになるほど気持ちよくもない。何度も行ったが、どのセラピストもそんな感じだった。

バンコクのプロンポンにある「ワットポースクンビット校直営サロン39」。ここは日本人経営のスクール直営なのでワットポー仕込みの本格マッサージが受けられそうなのだが実際は違う。ワットポーのセラピストではなく、スクンビット校が雇用したセラピストが働いており、技術はワットポースタイルではなく町のマッサージ屋さんな感じである。町のセラピストよりは上手な気がするが、何回か行って、感動するような施術には出会わなかった。

これまでホテルの近くとか行きやすいところばかりに行っていたので、今度は少し遠いがシーロムにあるあの有名な有馬温泉に行ってみることにした。有馬温泉の歴史は古く、30年以上前からJALのスチュワーデス御用達の有名店としてガイドブックにも数多く紹介されている。行ってみると、思っていたような有馬な感じではなく(当たり前か)、大きなマンションの一階が受付になっている大型店だった。受付ではお客さんをどんどんさばいているようで、上の階が施術室になっている。セラピストはすごい数いるようだ。ここでのタイマッサージもどちらかと言えば下手だった。ヘルスランドくらいのレベルだろうか。どんどん客をさばいている感じが工場のようで、私はおもてなしを受けるというより、まな板の上の魚として扱われているような感じすら持った。しかし、長年にわたって繁盛しているので満足して何度も来ている方も多いのだろう。サービスや施術が悪いわけではなく、私の要求レベルが高すぎるだけの話だ