タイマッサージのセラピストにうまい、へたはあるかと言われれば、あるとも言えるしないとも言える。うまい・下手というのは技術の習熟度を示す言葉だが、今まで多くの人のマッサージを受けてきて、それよりももっと大事なことがあることに気がついた。それは謙虚さである。
マッサージに限らず、あらゆる仕事に言えることだが、「私はすごい」「自信がある」「私が一番うまい」と自分を売り込んでくる人にはがっかりさせられることが多い。そういう人はレベルが高いのではなく、自分のレベルを客観的に見ることができない人である。それと同時に、自分は高いレベルだと思い込んで勉強を辞めてしまった人である。
優秀な人、マッサージがうまい人は決まって「私はまだまだです。勉強中です」と言う。そういう人が見ているのは、(数少ない)自分より優れた人であり、自分の欠点である。毎日反省をして、日々能力を向上させる。毎日向上しているから、今の自分は明日の自分に比べて「まだまだ」ということを知っている。
タイマッサージというのは、その人の性格がものすごく出る。思いやりの心や謙虚さ、そして生き方まで伝わってくるようだ。うまい、下手よりも、そういう心のあり方がいいマッサージかどうかを決めるような気がする。