今、最も勢いのあるスクールだと思う。
日本人に人気の、タイにあるタイマッサージスクールのトレンドは年々変化する。古くはプッサパー、ITM、この10年くらいはCCA、CLS。オンタイマッサージスクールは比較的新しいスクールだが、人気急上昇中で、行った人の評判もよい。最近「オンタイマッサージスクールで習いました、とてもよかったです」ということを聞くことがとても多くなってきたので私も気になり、行ってみることにした。
コースメニューを見ると、非常に多種多彩である。目的に応じてコースが細かく分かれているので選択しやすい。いまどき5日間のベーシックが3500バーツというのも安い。ストレッチコースが独立していて、しかもレベル1、レベル2とたくさんあるのも珍しく、どんなストレッチをしているのか興味がわいたのでこのコースを受けることにした。それぞれ2日間2500バーツで、合計5000バーツ。安い。雨季のオフシーズンだったからか人数も少なく、どのコースも先生一人当たり1名~3名くらいを教えていて、この人数でこの料金は本当に良心的だと思った。レッスン内容もよく練られていて、たくさんいる先生の教育も行き届いていて、とても快適に、しっかりした技術を細かく教えてもらった。先生が直接施術してくれて、生徒も先生に直接施術して確認できて、とても満足度は高い。教室はエアコン完備で全体的にとても清潔、お茶や水、お菓子類も無料で提供される。私は近くのゲストハウスに泊まったが、生徒用の宿泊施設も安価に用意されておりスクールとして完全だ。
教えているテクニックは、オーソドックスなチェンマイのやり方が多いが、ワットポーなどのバンコク系のテクニックも複合されている。基礎コースとしてはベーシック、プロフェッショナルとあるが、この二つ10日間で基礎コースと考えていい。内容はチェンマイ式、バンコク式がバランスよくミックスされたオン先生オリジナルシーケンスである。エルボーテクニックコースも、多彩な手技がコレクションされていて、エルボー集大成的なボリュームがある。各コースがオン先生の豊富な知識により、非常にマニアックに専門的に手技が集められ構成されている印象だ。そのため、他スクール卒業生や現役セラピストであっても、各コースの内容は魅力的だし受ける価値がある。
オンタイマッサージスクールが成功している理由は、これらのコースをオン先生一人で作り上げてしまったことだけでなく、スクール経営のすべてをオン先生が一人で行っていることにある。タイに数多くあるスクールを3つのタイプに分けるとすれば、
1)先生が一人でやっている寺子屋的スクール
2)経営者が先生を雇用して運営しているスクール
3)先生自身が経営者として先生を雇用して運営しているスクール
があるが、ほとんどは1か2だ。3のタイプは最も強力だが数は少なく外国人向けとして大規模化に成功したのはオールドメディソンホスピタル、ITMくらいしか思いつかない。先生自身が経営を行う場合、タイマッサージをよくわかっている人が直接、生徒がしっかり習得できるように心を配り現場を作り上げていくので素晴らしいスクールになるのだが、やはり経営という話になるので経営者としての能力の高さがないとなかなかできるものではない。オンスクールは最近珍しい3のタイプのスクールとなる。
オン先生ともいろいろと話をしたが、非常に頭がよく、チャーミングで人柄もいい。細かいことに気が付き、何でもよく考え、すぐに実行する。そしてエネルギーがものすごく、いつも元気で笑顔で、ポジティブな空気を周囲に発散しておりそれがオンスクールの雰囲気を決めている。タイマッサージの技術知識が深く、性格がよく、ビジネスセンスが抜群、まあ成功しないわけがないだろう。
オン先生が常に現場を見ているので、先生たち一人ひとりが日本語、英語をよく勉強して、モティベーションも高い。人気の高まりともに生徒数が増えてもオン先生なら、学校の規模を拡大する中で先生の数を増やし、生徒の満足度を犠牲にすることなくうまくやっていくことと思う。今後ますます人気が爆発することは間違いなく、チェンマイを目指す日本人セラピストの受け皿として隆盛を極めるだろうことを確信したしだいである。