タイの田舎には様々なマッサージが伝わっている。時々、「タイマッサージは何種類あるのですか?」と聞かれるが、タイマッサージは、中国漢方や日本のマッサージ指圧のように統一・体系化されているわけではなく(タイ厚生省が取り組んでいるがまだ途中)、古くから伝わるスタイルもまだ生き残っている。そういう土着のマッサージと王室・仏教寺院系のマッサージすべてがタイマッサージであり、更にそれらをミックスした形のスタイルを各学校が独自に教えているのが今日のタイマッサージの状況である。
そんな中で、珍しいものを見たことがある。卵を使ったマッサージだ。このマッサージ師の名前は聞き忘れたが、面白いので掲載する。
卵でマッサージするわけではない。このおじさん、いやマッサージ師は卵を手のひらに持ち、患者の体のあちこちに当てていく。患者の体の悪いところにくると卵が反応してそこが悪いことがわかるのだという。わかったら、後は普通にそこをマッサージする。
ダウジングを思い出した。ダウジングというのは、ヨーロッパに伝わる不思議な技術である。ほとんど超能力に近いのだが、L字に曲がった二本の棒を持って地面の上を歩き回ると、水脈や金属のある場所の上でなぜか二本の棒が反応して、閉じていた棒が勝手に動いて開くのだという。これはこっくりさんのような心理的なものではなく、電磁波の人体に対する作用というような根拠があるされる。
卵もダウジングの一種と考えれば、この手法も理解できなくはない。しかし、なぜ卵なのか、その選択がいかにもタイらしくて微笑ましい。
面白いのは、このおじさん、単なるマッサージ師ではなく、卵占いのようなこともすることである。水晶占いのようなもので、相手の手のひらの上に卵をかざすと、卵から色々な情報が得られるのだと言う。その話術がこのおじさんの真骨頂なので、マッサージ師というより占い師と言えるかもしれない。この写真はその様子を撮影したものである。おじさんの話を聞いている二人の表情が非常に面白い。
日本でもタイマッサージサロンではカウンセリングやお客様とのお話が非常に大事とされるが、このおじさんは卵というツールを使ってカウンセリングをしているわけだ。マッサージと占いの合体、まだ日本ではこういう業態は見たことがないが、これは日本でも大ブレイクするかもしれない。
この他にも、まだまだ私の知らないタイマッサージが存在しているような気がする。卵マッサージは習えば私にもできるのか? 今度聞いてみよう。
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