シンチャイ治療マッサージ

Sinchai Massage School & Therapy

39_1チェンマイでナンバーワンと言われているもう一人の伝説のマッサージ師です。非常に誠実で優しい人柄で、患者さんだけでなく、チェンマイのマッサージティーチャーからも広く支持されています。ピシェット先生については賛否両論があるのですが、シンチャイ先生については否定的な意見を聞いたことがありません。すべての方から愛され、信頼されている先生です。
先生が盲目と言うこともあり、派手なストレッチ技はなく、大きな筋肉には肘を使い、繊細な筋肉は手を使って細かいセン弾きを繰り返します。伝説のマッサージ師という噂から神秘的な直感やセンスを想像してしまうのですが、実際には超理論派です。解剖学的な知識に基づき、筋肉を丁寧に解していきます。その丁寧さが、本当に丁寧で、先生の人柄が伝わってきて心を打たれます。タイマッサージの心、というのはこういうことかと、名人と言うのはこうだから名人なんだ、といろいろなことを学ばせてもらえます。
テクニック的には、優しい刺激を繰り返し与えることで筋繊維に傷をつけずに解すということを実践しており、有名なシンチャイチョップもとにかく優しくて繊細です。繊細なタッチを学ぶためにもぜひとも行ってほしいスクールです。

しかしながら、数年前に場所が、極めて不便なところに引っ越してしまい、どうやって行くかというのが大きな問題になってしまいました。自転車で行くには遠すぎるので、ソンテウを捕まえて行くことになりますが、ドライバーに住所や地図を見せてもまずわかってもらえないので、携帯電話をシンチャイ先生にかけて、それをドライバーに渡して説明してもらうしかないでしょう。ホームページにはチェンマイ門あたりまで迎えに来てくれるという情報も掲載されていますので、一度電話をして聞いてみてください。

タイマッサージの相性


タイマッサージを始めて間もないころ、タイ・マッサージの民族誌という本を読んだ。
主にチェンマイのオールドメディソンホスピタルに取材してタイマッサージの民族性について考察した本だが、その中でオールドメディソンホスピタルのセラピストに「誰が一番上手ですか?」と聞いた時の答えが印象に残っている。
その答えは「誰が一番とかはない。タイマッサージは相性のものなので、顧客によって好みのセラピストは異なる。だから順位などつけられない」というものだった。

そんなものか、とその時は思った。確かにセラピストによって強かったり、優しかったり、速かったり、独特の癖があったりするし、その施術には人間性や性格が色濃く反映されている。人間関係も相性があるのでタイマッサージもきっとそうなんだろう。私が嫌だと思ったセラピストでも他の方は機嫌よく指名しているという事実もある。

しかし長年が経過し、何度もオールドメディソンホスピタルやその他で施術を受けているうちに、やはりうまい下手はある、と思うようになった。オールドメディソンホスピタルであっても下手な人はいる。もしそれを下手と感じずに気持ちよく受けている人がいるとすれば、その人は味覚音痴か、もっとうまい人がいるのを知らないだけだ。うまい人と言うのは実はあまり相手を選ばない。相手の好みや相手が求めていることを会話や体の状態から感じ取り、チューニングするので誰に対しても素晴らしい施術を行う。だから相性はあまり関係がない。例えば、チェンマイで名高いシンチャイ先生やタノン先生のマッサージを下手だと思う人はよほどのへそ曲がりだろう。
本に書いてあった、「タイマッサージは相性だから」というのは、単に順位付けされたくない、したくない、という言い訳だったに違いない。

ただし、うまい下手でうまいに分類される人の中には治療を意識してトリガーポイントを狙い撃ちするように痛いところばかり強く押す人がいる。それは私好みの施術ではないが、そういう全体的に痛いのが好きな人もいるのかもしれない。それは確かに相性の問題になるのだろうが、痛いのが好きでない人に痛いマッサージをするのはセラピストの自己満足なのでやめた方がいいと思う。

タイマッサージを習うということ

タイマッサージをやるからには上手になりたい、と誰しも思う。

DSC_3389どうすれば上手になれるか、ということについて考えてみたい。簡単に考えると、「タイ政府認定資格」を取得すればばっちりのように思えるが、そんなに甘いものではない。民間のスクールというのは基本的には営利目的でやっているので、講習が30時間と決まっていればその時間で終わり、生徒の修了レベルに関わらず「タイ政府認定資格」は発行される。テストをしてダメ出しをしたり、ちゃんとできるまで講習延長したり、不合格にすることはまずない。お客様である受講生の方が気分よく帰ってくれることが大事だし、できるまで時間延長していたらいつ終わるかわからないし、講師の方の時給を払わなくてはいけなくなる。
その結果何が起こるかというと、卒業した受講生は自分が上手なのか下手なのか、プロとして通用するのかしないのか、よくわからない。いや、そこまで考えればいい方だ。マッサージにうまい、下手があることすら気が付かず、教わった通りにできているのだから自分はばっちりできるようになった、と思い込んでいるケースがほとんどではないだろうか。

タイマッサージは芸術である。と言う人がいる。それほど大げさなものではないと思うが確かにそういうところはある。ピシット先生はタイマッサージは2時間の交響曲である、と言っていた。全体構成、流れのスムーズさ、個々の技の気持ちよさ、そういうものの総合的な結果として、お客さんがどれだけ満足していただけるかの勝負である。

芸術と考えると、「資格」を取れば一人前になれる、わけはないのは自明だ。音楽にしても絵画にしても小説にしても、芸術には資格など存在しない。芸術の世界では資格と言う概念自体が意味を持たない。芸術の価値はそれを鑑賞する人によって決まり、芸術家はこの世に価値あるものを残そうとして技を磨く。

さて、タイマッサージだが、その他の芸術と決定的に違う点が一つある。それは、自分で自分の作品を鑑賞できないことだ。だから、自分の作品が客観的に見てどのくらいいいものなのかということがさっぱりわからない。だからタイマッサージを上手になりたいと思っても、自分のマッサージがそもそもどのくらい下手なのか、どこが下手なのか、そこからわからないという壁がある。

その壁を破るためにはまずは自分が目指す「いいマッサージ」とはどういうものかしっかりイメージできなければならない。美味しいものがわからない人が料理人になれないように、まずはいい悪いの価値判断ができることが大事だが、若い方はまだマッサージの良さ自体を体でわかっていないところがあるので、この壁は実はハードルが高い。まずは、上手と言われる多くの先生、そして一般のサロンなどでいろいろな人から受けて「上手なマッサージ」のイメージを作ること、そして、上手な人は何が上手なのだろうということを考える。下手な人は何がだめなのだろうと考える。そして自分はどっち側の人間だろうと次に考える。そして実際に自分がいいと思うやり方で先生にやってみて、先生にどうだったか聞いてみる。タイマッサージの上達にはその繰り返ししかないと思う。

コランセラピストスクール

コランセラピストスクール

DSCN2265外国人向けとしては珍しく、タイ厚生省スタイルのタイマッサージを教えるスクール。2007年に開校したのでもう10年くらいの歴史があり、先生はずっと同じソムチャイ先生です。ソムチャイ先生はコランセラピストスクールへ移籍する前まではプッサパーの二代目講師として人気があった先生です。さらにその前は、ソムチャイ先生はタイマッサージ復興プロジェクトのメンバーの一人で、ピシット先生の下でタイマッサージ技術の記録編集に携わっていました。ソムチャイ先生にはここ、ピシットタイマッサージスクール日本校でレッスンをしていただいたこともあります。
チェンマイで日本人に人気のスクールのいくつか、いや、ほとんどは、生徒の数が多くてどんどん授業が進んで行き、一人一人がちゃんとセンを気持ちよく押せているか全く確認しません。このため、そういう学校で習ってきた人は日本のサロン現場で全く使い物にならないということは業界で広く知られています。一方、コランではソムチャイ先生がセンの捉え方という最も基本で、最も重要なことを手取り足取り、きめ細かくチェックしてくれるので確かな技術が身につくと思います。これだけ経験豊富な先生がお互いに施術をし合いながら指導してくれるスクールはなかなかありません。

オーナーは江幡(えばた)さんという日本の方で、日本人向けにきめ細かいサービスを提供しており、安心して受講できます。江幡さんには何度もお会いして、飲みに行ったりもしているのですが、なんというか私と感性や経営の考え方が近くてシンパシーが持てます。私は女性向けのヨガスタジオを経営していますが、江幡さんも女性向けのスパを経営していて、ずっと女性と接していると女性化するんですね、インテリアやグッズのチョイスのセンスとか、接客態度とか、清潔感とか繊細さとかが。ですので、女性の方も安心して気持ちよく受講できると思います。

江幡さんが、ソムチャイ先生が伝えたい細かいことまで日本語に通訳してくれるので、英語やタイ語では質問しにくいこともしっかり質問でき、知りたいことを漏れなく、詳しく説明してもらえるのはとても素晴らしいと思いました、江幡さん自身、ソムチャイ先生から長年指導を受けているので、江幡先生とソムチャイ先生、二人の先生が常時いるようなもので、日本人には嬉しいところです。二人とも笑顔が絶えない、とても優しくて気配りの出来る方なので教室はいつもリラックスした楽しい雰囲気に包まれています。

ソムチャイ先生は一つ一つの手技について、なぜこのポジションで、この方向に行うのか、身長差がある場合はどうすればいいのかを、理論的にわかりやすく説明してくれます。しかしただ説明するのではなく、実際に他の方法で行ったときに圧の入り方がどう変わるか体で感じてみたり、実際にやってみてどう思ったか等々、自分で考え、自分でやってみて、感じてみて、その手技が持つ意味を多角的に理解することをレッスンではとても大事にしています。ソムチャイ先生は技術の高さだけでなく、生徒が自分で成長できるようになるための「教え方」ということにこだわっているそうです。

コランセラピストスクールの上級コースでは最後に、1時間のオリジナルプランを考えるという課題もあります。技の形と順番を教えて、修了証を出して、はい終わりという学校が多々ある中、とても良心的なスクールと言っていいでしょう。なぜなら、自分で考えることはその後、セラピストとして活躍する場合に必ず必要になるからです。限られた時間で、体型も状態も異なるクライアントに合わせて何をすべきか、手技の一つ一つの意味をレッスンの段階から深く理解していれば、自力でシーケンスを組み立てることは難しいことではありません。

「サロン現場で即戦力になるセラピストを養成する」、素敵なスクールです。

ワットポー・タイ・トラディショナル・マッサージ・スクール

Watpo Thai Traditional Massage School

「ワットポーにはじまり、ワットポーに終わる。」

とは私が今思いついた格言である。

6_1私が初めてタイマッサージを習ってみようと思って行ってみた学校がワットポーだ。タイマッサージの楽しさ、気持ちよさ、タイの人との交流、いろいろな楽しみがあり、観光ついでにちょっとタイマッサージを習ってみようという方には一番のお勧めスクールと言える。一人の先生が担当するのは4名の受講生までと決まっているので、直接先生にしてもらったり先生にしてみたりできるし、料金も安い。手技も難しいものはなく、分量的にも日数的にも受講しやすい。
ワットポーの境内にある施術所は間違いなくタイでナンバーワンの人気だし、そこのセラピストの平均施術レベルもタイでナンバーワンだと言っていいだろう。そのワットポーの施術が学べるのだから日本のセラピストにも一番人気、かと言えばそうではない。なぜか?

まず、これが致命的な理由だと思うのが手技がシンプルすぎて数が少ないこと。全部をしっかりやっても1時間半くらいにしかならない。ワットポーの施術所のメニューも30分か60分だ。短い時間でしっかり解すというのがバンコク系の特徴なのだが、日本で仕事をする際に2時間のメニューをこなせないのは痛い。それでプロを目指す人は、2~3時間のシーケンスがあるチェンマイの学校に行くことになる。
ワットポーにも上級コースがあるので、それを習えば長時間の組み立てが可能だと思うかもしれない。しかし、ワットポーの上級コースは症状別の指圧ポイントを習うだけで、わかったようなわからないような、施術の流れの中には入れにくい感じだしちょっと地味だ。チェンマイでやっているような派手なストレッチ技をもっとたくさん習いたくなるのも理解できる。

ワットポーで2時間の施術を頼むと、スクールでは教えていない、厚生省スタイルの技が数多く入った施術となる。セラピストによって異なるが、今ではワットポーの施術所でもタイ厚生省スタイルの手技が、スクールで教えている手技以上に使われている。ワットポースクールの施術は腰の上げ下げを伴うしっかりした指圧なので、一日中やっていると流石にきついのだろう。スクール自体も、10年くらい前までは受講生が入りきれないくらいあふれていたが、この数年は閑古鳥が鳴いているくらい人気が凋落した。ここの受講生はもともと日本人は少なく、ほとんどが白人とタイ人だったのだが、なぜ彼らが来なくなったのかは謎だ。場所が不便なところにあるし、テロとか、デモとか、バーツ高とか、授業料値上げとか、他のスクールが頑張ってるとかいろいろな理由があるだろう。しかし、ワットポーの手技体系は何も足せない、何も引けないというくらい完璧に効率的で、タイマッサージのエッセンスがすべて盛り込まれている。また安全性も折り紙付きで、手技がシンプルなだけに、初心者でもちゃんとやればプロのように気持ちのいい施術が実現できる。いろいろなスクールで経験を積んでタイマッサージへの理解が進んだ後、久しぶりにワットポーの施術を見たり受けたりすると、ワットポー式の素晴らしさに改めて感動し、ここに幸せがあったのだ、と気づくことになる。まるで青い鳥のように。

タイマッサージの資格

DSC_4444ときどき、「そちらでタイ政府認定の資格は取れますか?」というお問い合わせをいただく。
最近、「タイ政府認定資格が取得できます」とうたっているスクールが多くなってきたのが理由だと思われるが、実際のところ、タイ政府認定資格というのは数年にわたるカリキュラムを修了し、難しい試験に合格しないと取ることはできない。しかも、タイ国籍を持つタイ人でなければ取れない。タイ政府認定の資格には二種類ある。タイ伝統医療ドクターと、タイマッサージ国家資格である。タイ伝統医療ドクターについては私の先生の一人であるチェンマイのワンディ先生も取得しているし、ワットポーの何人かの先生も取得しているのでタイマッサージスクールの先生の中では比較的メジャーな資格である。国家資格の方はさらに敷居が高く、お金も学歴もある、医者を目指すような人しか取っていないような気がする。ちなみにピシット先生は資格を与える側の人であった。

ではタイ政府認定資格を宣伝文句にしているスクールは嘘をついているのかというと、そうとも言えない。まずはタイ文部省およびタイ厚生省が認定した「ちゃんとした」学校のカリキュラムを修了した、という修了証=ディプロマの意味はある。また、「タイ政府認定資格」ということについては、その意味をちゃんと説明すると、「タイ文部省が営業許可を与えたタイマッサージスクールの一つである○○○で、上級コースを受けるための資格」である。日本で基礎コースを受講した後に、タイの本校で上級コースを受けるためには必要な資格であるから、資格と言えないことはないが、資格自体がタイ政府認定なのではなく、その資格が意味を持つスクールの母体がタイ政府の認定を受けているいうことなので誤解のないようにしたい。そしてその資格はタイ政府認定校で共通に効力を持つわけではなく、例えばITMの場合は、ITM系列のスクールでしか意味を持たないが、将来にわたりそのスクールでキャリアを伸ばしていきたいのであれば「資格」にこだわるのも一理ある。(一時期、タイ人がタイでタイマッサージの仕事をするためには文部省認定校の修了証が必須になる、という噂があったが、今日現在、そのようなことは行われていないようだ)

まあ、そういう一定の意味はあるが、タイで「私は日本でタイ政府認定資格を一週間で取った」などと言うと笑われるし、日本のサロンの就職面談で「タイ政府認定証」を見せても何の効力もないことは知っておいた方がいいだろう。

余談になるが、バンコクのピシットタイマッサージスクール本校には立派なプロジェクタとスクリーンがあるが使っているのを一度も見たことがない。「なぜプロジェクタを買ったのですか?」と聞いたところ「タイ文部省の認可を得るためには必要だったからだ」という答えであった。タイでスクールを開業するためにはタイ伝統医療ドクターが在籍しているとか、プロジェクタを保有しているとか、いくつかの要件が必要なのだ。逆に言えば、そういう要件を満たしていれば「タイ文部省認定」が取れるという仕組みなので、「タイ文部省認定」だからといって、教えている先生が優れているとかカリキュラムや受講環境が優れている、とは限らないことも知っておいた方がいいかもしれない。

タイマッサージの姿勢

imgd46cdfb1cdc5844eea4adタイマッサージは姿勢が大切だ。

常に背筋を伸ばし、上半身の力が抜けていなければならない。それにはいくつかの意味がある。施術者の体を守るという観点からは、腰に負担をかけない、肩凝りを防ぐ、という意味がある。猫背で行うと釣竿で魚を持ち上げるように、背筋で頭蓋骨の重さを支えなけばならず長時間にわたって腰に異常な負担がかかりあっという間に腰痛になる。また、猫背だと体重がうまく乗らないため腕力で圧を高めようとして肩に負担がかかり肩凝りになる。

腕力で押すことは相手に対しても良くない。腕や肩の筋肉の緊張(細かい振動)が相手の体に伝わるし、圧力の上昇曲線が不連続になってスムーズな圧にならない。そして何より、圧力が絶対的に不足するのが問題となる。

自分の体に負担をかけ、筋力を最大限に使っているのになぜ指圧が足りなくなってしまうのか?

それはスポーツで考えれば理解できる。野球、ゴルフやテニスをしたことがあればわかるだろう。腕力で打っても球は飛ばない。腰を入れて上半身の力を抜いてスイングしたら、何の力も入れていないのに球は気持ちよく飛んでいく。正しいフォームで行えば力は要らない。ゴルフ初心者は肩の力を抜くことから教えられるはずだ。
指圧ということで考えれば、ボクシングや相撲の方が近いかもしれない。どちらも腰から前にどんと出していかなければいけない。腰が引けた、へっぴり腰では猫パンチになってしまう。指圧も全く同じで、猫背で腰が引けていると圧が入らない。

「背筋を伸ばし、肩の力を抜き、腕を真っ直ぐにして、丹田(腰)を寄せていきなさい、そうすれば、あなたのエネルギーが腹から肩を伝って自然に落ちていく」というタイマッサージの教えは、神秘でも何でもなく、スポーツの基本と同じことなのだ。

そう考えると、タイマッサージもスポーツである。体の使い方がうまい人は自分は疲れないのに綺麗な圧を入れることができる。スポーツに取り組むのと同じように、適切なトレーニングを行い、正しいフォームを練習することが大切だ。スポーツなら負けるという形で自分の未熟さを自覚できるが、タイマッサージはほとんどの場合、お客さんが「とても気持ちよかった」と言ってくれるため、施術者はできているつもりになってしまい易い。しかし、ゴルフのスイングを極めたと思っているゴルファーは存在しないのと同様、タイマッサージの指圧も非常に奥が深いものであることは知っておいた方がいい

プッサパータイ式マッサージ専門学校

なんと、去年末に閉校してしまったらしい・・・

9_1とても残念だ。私がタイマッサージを始めた16年くらい前は、日本人向けのスクールというのは今のようにたくさんはなく、その中でも、しっかりしたカリキュラムと優秀な先生により日本人に大人気だった。タイにある日本人向けのスクールの先駆け的な存在であり、日本で日本人がタイマッサージを仕事にする、ということを成立させた貢献度は計り知れない。
もう一つ私にとって思い入れがある理由は、プッサパー設立には私の先生であるピシット先生がいろいろと尽力したということだ。プッサパーの最初の先生のワチャラ先生はピシット先生の弟子だったし、二代目のソムチャイ先生もピシット先生が中心になって推進したタイマッサージ復興プロジェクト出身である。プッサパーは日本人が習える学校としては貴重な、ピシット式=タイ厚生省式のスクールだったのだ。

そういうタイマッサージの正統的な流れを日本人の経営者がタイという異国の地で、日本人向けの学校という形にし、順調に運営してこられたということは本当にすごいことだと思う。

プッサパーはなくなってしまったが、プッサパーの人気講師だったソムチャイ先生は今、コランセラピストスクールで活躍中だ。

本場のタイマッサージは痛い?

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タイマッサージサロンによく行く人が言うことに、

「タイ人は強く、痛いくらいにやる」

ということがある。日本にあるタイマッサージサロンは、日本人セラピストがメインなところとタイ人セラピストがメインのところがあるが、日本人にやってもらうときは寝てしまう、タイ人にしてもらうときは痛くて寝るどころではない、らしい。

タイマッサージはタイが本場だから、タイ人がやる痛いタイマッサージが本物のタイマッサージなのか? そういう疑問がある。

では、タイで受けたらどうかというと、やはり、痛い人と、気持ちがいい人がいる。痛い人は大きく分けて、技術または性格が雑なために痛い人と、的確なポイントを強烈に押す人の2種類がある。

前者は論外として、後者の痛いマッサージこそが本物のタイマッサージなのか?

このことについて、ピシット先生に聞いてみたことがある。その答は明快だった。

「同じポイントでも、治療を目的としたときは押し方を変えて、強く押す。リラクゼーションを目的とした場合は、意図的に痛さを感じさせない程度に押す。」

タイマッサージは大きく分けて、全身のエネルギーラインを整えるリラクゼーションマッサージと、膝や腰、肩や指のような特定の場所が痛かったり動かなかったりする場合に行う治療マッサージがある。治療マッサージは悲鳴が上がる程痛い。しかし、これを健康な人が受けてもストレスになるだけで大した意味はない。健康な人に対しては「痛くない」リラクゼーションマッサージをすべきである。というのがピシット先生の説明だった。

タイ厚生省が主催する400時間や800時間のセミナーには当然、治療マッサージのやり方も含まれる。セミナーを直接受講した人はどういう時に強押しをやるべきかよく理解しているはずだが、それがお店で新人セラピストに二次的、三次的に伝えられる過程で、「痛いくらいにやらないとだめ」ということが間違った形で伝わってしまっているのではないかと思われる。

痛いくらいに押すのは、特定の関節の痛みを軽減するという明確な目的の下、的確な施術ポイントを正しい押し方で押す場合に留めておくべきであろう

RSMインターナショナルスクールチェンマイ

RSM International Massage Academy & Treatment Facility
rsm
既にタイマッサージを習得しているけど、解剖学的な知識がなくて施術に自信が持てない、という方に絶対的にお勧めのスクールです。マッサージに必要な解剖学の知識を短期間にこれだけ高いレベルでしっかり学べるスクールは他にはありません。しかも受講料が目を疑うほど安く、もうこれは受けなければ損、というレベルです。池田先生がこのスクールをやめてしまったら別の選択肢はなくなりますので解剖学を学びたい方は今のうちに受けておきましょう。単なる座学ではなく、筋肉の形やトリガーポイントを触診し、治療方法も学べるのでレッスンはセラピストにとって極めて実用的です。

チェンマイの学校で、特に日本人向けというわけでもないのに、日本人教師が主宰しているという珍しいスクールです。校長の池田氏は、「解剖学の知識に基づいてタイマッサージを理解する」という特徴あるレッスンを行っています。こういうレッスンはタイ人にはできないもので、医学系の勉強を修了した日本人ならではのレッスンと言えるでしょう。

ヨガもそうですが、欧米人は何でも理論的に理解しないと気が済まないようで、そういうニーズに応えられる本スクールは、欧米人に人気があります。ヨガもアメリカに渡り、フィットネスとして進化しました。本スクールは外国人によってタイマッサージが再構築されている一例と見ることもできます。

欧米人が受講している場合、レッスンは基本的に英語ですが、日本人の方には日本語で補足説明してもらえますので英語についてはそれほど心配しなくてもいいでしょう。
私が知っているスクールの中ではすべての方にお勧めナンバーワンのスクールです。